スポーツ障害
●TFCC損傷 ー 手首を動かすと痛い、力が入らない。
TFCC損傷はなかなか聞きなれない病名ですが、手首の小指側の部分での痛みの原因にはこの疾患が多く見られます。症状は手首を動かす時の鋭い痛みや、物を持つときに力が入らない、タオルなどを絞る時に手首の外側に鋭い神経痛が出たりします。
一般的にはなかなか痛みが引かなかったり、治ったと思ったら、すぐまた同じ場所が痛むなどして、すっきりしないことが多いので、手首の痛みが気になって来院される方が多くいらっしゃいます。
TFCC損傷とは、アームレスリング、テニスやバトミントンなどのラケットスポーツをする選手に多くみられるとされています。
上の右の写真は病院からTFCC損傷を診断され、手術を勧められた患者さんでしたが家族の紹介で当治療院に通い、2週間でほとんど痛みなく日常生活が出来るようになりました。病院でTFCCと診断された方は、手術の前にぜひ当治療院に一度相談に来てください。
治療方法 |
当院では、手首損傷による運動制限や痛みに対しては、まず手首周辺の筋緊張を緩和させてから、手首や肘のズレを整復した後、テーピングによる固定を行っています。ほとんどの場合2週間位で運動制限や痛みが消失します。
●野球肘(テニス肘)- タオルを絞ったり、物を持ったりすると痛みで力が入らない。
野球肘は、投球による使いすぎを原因として起こる肘関節部の炎症です。野球以外のスポーツではテニスなどで起こり、「テニス肘」と呼ばれることがあります。症状としては自発痛や夜間痛、腕の伸展や回旋などの動作に支障をきたすことがあります。運動フォームに乱れや筋肉の疲れの蓄積があると、肘への負担が大きくなって起こしやすくすることがあります。
40代の女性です。
右ひじの外側の痛みを訴えて来院されました。
3か月ほど前に、パソコン使いすぎや重たいものを運んでから痛むようになったそうです。
その後、タオルを絞ったり、物を持つ動作で痛みが強くなり、 夜中も痛みを覚えるようになったので来院されました。肘の外側を押さえると強く痛み、手首を背屈時に痛みを強く感じました。治療としては、 前腕の伸筋群のストレッチを指導し、前腕の筋肉の電気治療とマッサージで腕全体の筋緊張を緩めてから肘関節をカイロプラクティックで矯正しました。
初日の治療後は半分以上痛みや違和感が消えました。テニス肘の痛みは根元が首にあります。首の不具合により肘に痛みをもたらしていますので、首治療も並行していくのが大事です。2週間後は日常生活の支障がないくらい痛みが消失されました。
施術方法 |
野球肘に深く関わる筋肉は、リリースする瞬間に手首を手のひら側に曲げる働きをする屈筋群です。屈筋群には橈側手根屈筋・尺側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋など複数ありますが、その中でも野球肘では“円回内筋”という筋肉が症状を引き起こしやすい筋肉です。
当院では、運動学的検査や問診を徹底して細かく行い直接原因となっている筋肉を見つけ出し、トリガーポイントが発生している筋肉に対して血流を改善させる治療を行い、根本的な原因を取り除いていきます。筋肉の緊張がなくなることで、骨への牽引力も弱まり回復は次第に早くなっていきます。
また、痛みを繰り返さないようフォームの改善やストレッチ方法などもお伝えし、ご自身でも継続して実践できるようケア方法もお伝えしております。どんなお悩みでも、どうぞご遠慮なくお尋ねください!
施術料金は初回が2300円、次回から900円程度
後期高齢者証の方は初回1500円、次回から600円程度
※上の金額には針治療+整体+電気治療+矯正料金が
含まれた料金になります。
●野球肩 - 投球時に痛い、腕を上げると痛い。
●野球肩の原因
野球肩は、この使い過ぎ(オーバーユース)によるものが大半を占めています。いわゆる投げ過ぎによるものです。ハンドボールや水泳などの野球以外のスポーツでも発生することがあります。
毎日、練習や試合でボールを投げ続けていることで、肩に負担が掛かり、疲労も蓄積しだんだん痛くなってきたというものです。
その負担が掛かりやすいのがインナーマッスルと呼ばれる複数の筋肉です。一度は聞いたことがあるかもしれません。インナーマッスルは「棘上筋」「棘下筋」「肩甲下筋」「小円筋」の4つの筋肉の総称です。
このインナーマッスルを使い過ぎることが野球肩の原因です。
●野球肩の治らない理由
筋肉を使う時には必ずエネルギーが必要です。そのエネルギーを使い、縮んだり伸びたりしています。しかしボールを投げ続けることで、筋肉を使い続けているので次第にエネルギー不足になってきます。すると、筋肉が伸び縮み出来なくなり、固まってしまいます。その固まって硬くなった筋肉が周りの血管を圧迫して、筋肉がエネルギーに必要な栄養素を血管から受け取れなくなります。また、血管が圧迫されることにより疲労物質や発痛物質が上手く促されなくなり痛みが出てきます。
その筋肉が硬くなりしこりが形成されたものをトリガーポイントと言います。そのトリガーポイントやトリガーポイントの関連痛が痛みの原因で筋筋膜性疼痛(MPS)を引き起こしているのです。
つまり、筋筋膜性疼痛(MPS)の原因となっているトリガーポイントを改善していかなければ症状は良くなりません。
●野球肩の治療方法
当院ではお話を詳しく伺って、問診・検査を行い原因のトリガーポイントを見つけ、施術を行います。
筋肉の硬さが原因となっているので、血流を良くし筋肉を柔らかくする治療をします。
手技治療だけでなく、更に血流を良くする鍼治療やレーザー治療なども行っております。
また、痛みを繰り返さないためにはどうすればいいのか、トレーニング方法やストレッチ方法なども指導させて頂き、1日でも早く競技復帰が出来るようにします!
●こむら返りーあしがつる、筋肉痛
こむら返りは、筋肉が激しい痙攣を起こして緊張状態になってしまうことが原因として起こるものです。この筋肉の痙攣は、強い疲労状態にある時や汗で体内の水分やミネラルが失われている時に起こりやすくなります。これらの原因によってふくらはぎの筋肉が限界以上に収縮された結果、筋肉が痙攣してこむら返りが発生するのです。こむら返りが起こると、足の筋肉は強い痙攣を起こし強い痛みを引き起こします。この時、足の筋肉は収縮した状態を維持しているため、歩くことも立っていることもままならない状態になっているのです。こむら返りの痛みは非常に強く、多量の発汗やめまいを伴うこともしばしばです。また、こむら返りは片足だけでなく両足同時に起こることがあり、痛みが二倍になってしまうので注意が必要といえます。
施術 |
60代の女性です。
最近寝る時、よく右足がつることで来院しました。触診してみたら、ふくらはぎや太ももの筋緊張や痛みを強く感じていたので、まず針治療を施してから、マッサージやストレッチで臀部から足裏まで施しました。二日目は夜中のこむら返りもなくなり、触って時の痛みも半分位亡くなり、2週間後にはこむら返りも痛みもなくなりました。
こむら返りのツボ療法
こむら返りには足の前面とふくらはぎの
筋肉は急に固くなってけいれんすることです。夜中寝ているとき、水泳するときに起きやすいです。
こむら返りのツボの場所
●足三里(あしさんり):膝の皿の下側、真ん中より外側にあるくぼみから指三本分下の骨と骨の間。
●陽陵泉(ようりょうせん):足三里から指三本分外側の少し上。
ツボ押し:足前面の筋肉がけいれんして足が甲側にそると
きは足三里のツボ、ふくらはぎの筋肉がけいれんするときは陽陵泉を使います。両手の親指を重ねて、かなり強く押します。痛みが緩んでけいれんしなくなるまで押し続けてください。
●膝の痛みー膝の内側、外側、裏の痛み
ランニングや、本格的な陸上競技をされている方々など、走るということに関して一生懸命になっておられる方は、ついつい膝のオーバーユースをおこしがちです。
一見、膝の痛みなので関節の中に原因があるように思われがちですが、実は、関節の周りにある筋肉や靭帯の炎症であることが多いのです。
ですので、膝の周りに起こりうるオーバーユース症候群(使いすぎ症候群)について、以下で御紹介していきたいと思います。
膝蓋靭帯炎(膝蓋骨の下が痛い)
膝蓋靭帯は膝蓋骨の下で引っ張り合う力が生じると、付着部で炎症を起こすことがあります。
(青丸印の部分)
中には、骨の一部がはがれるようになって、小さな骨片を伴うこともあります。
また、膝蓋靭帯そのものが炎症を起こす場合もあります。
(赤丸印の部分)
鵞足炎(膝の内側が痛い)
縫工筋と薄筋と半腱様筋を3つ合わせて束になったところを「鵞足」といいます。
脛骨と鵞足をつなぎ止めるところは、 滑液包と呼ばれるクッション材が存在して、腱を摩擦から守ります。
付着部に腱が繰り返し引っ張り合う力が働くことで、鵞足自体が炎症を起こしたり、周辺にある滑液包が炎症を起こして、 痛みが生じます。
腸脛靱帯炎(膝の外側が痛い)
骨盤の横から大腿筋膜張筋として始まった筋肉は、途中で腸脛靱帯に移行し、腿の外側を走って、膝の外側を通り、脛骨(向こうずねの骨)に付きます。
股関節と、膝の関節にまたがる靭帯なので、繰り返す足の曲げ伸ばしの運動の際に、赤丸印で示したあたりで痛みが生じます。
内側側副靭帯(膝の内側が痛い)
20代の男性です。
右膝の痛みを訴えて、来院されました。サッカーをしていて転倒しなから足を捻った際に、受傷されたそうです。
膝の内側側副靭帯の付着部(大腿骨側)×点に圧痛があり、外反ストレステストを行ったところ、側方動揺性が認められました。 腫れと痛みのため、膝を完全に伸ばしたり曲げたりできませんでした。
同時に行った、他の靭帯や半月板の検査では、 特に異常は見られませんでしたので膝の内側側副靭帯の単独損傷であると判断し、テーピング固定と周囲の筋や靭帯の拘縮を予防する手技療法を2週間行いました。その後、治療開始して1か月後には普通にサッカーができるようになりました。
●肉離れー足の筋肉が痛くて歩けない。筋肉のツッパリ感
肉離れが起こる原因は、脚の筋力に急な負荷をかけたり間違った使い方や筋疲労が溜まったまま長期使用等があると言えます。肉離れが起こりやすい部位は身体の全重量を支えるため強い筋力を持っている太腿の筋肉であるハムストリングやふくらはぎの腓腹筋などがあります。注意することは肉離れか筋膜離れかをしっかり把握した上で施術に入ることですが大事なのはどこでどういう状況で怪我をしたのか注意深く聞くことです。
施術 |
肉離れが起こったら早急な対処をすることが、肉離れ治療の基本であるといえます。肉離れへの対処はスポーツ損傷への対処の基本である「RICE」で行われます。
軽い肉離れなら上の処置で1週間位で落ち着いてきますが筋損傷が強い場合はなかなか筋肉のツッパリ感や嫌な痛みが取れないものです。当院では症状の具合によって、スポーツ鍼やマッサージ、干渉波の電気治療による施術で多くの治療実績が有ります。もし肉離れだと思う方はぜひ一度、当治療院に相談してください。
●靭帯損傷ーアキレス腱が痛い。踵が痛い。
靱帯損傷は、脱臼などの関節に起こるスポーツ障害によって引き起こされることが多いと言えます。靱帯は関節を構成する骨と骨を結びつけるようにして存在していますが、脱臼で関節を構成する骨が引き離されると強く引っ張られて伸びてしまうのです。靱帯はゴムのような働きを持っていますが、必要以上に引っ張られるとゴムと同じく強度が落ちて千切れてしまうのです。また、靱帯の伸縮を繰り返す動作を長時間行うことも靱帯損傷の原因になります。靱帯損傷は、使いすぎが多い肘の側副靭帯と膝の十字靱帯、足関節の前距腓靭帯を中心として発生します。膝に起こる代表的な靭帯損傷である十字靭帯断裂や足関節の前距腓靭帯の損傷は、バスケットボールやバレーボールのように屈伸と回旋を伴うジャンプを常用するスポーツに多く見られます。
症状 |
靭帯損傷を起こすと、関節部の違和感と損傷部位を中心とした運動能力の低下が症状として現れます。また、足関節、膝関節の靭帯損傷を起こすと歩行困難を起こします。関節部には痛みを感じる神経が少ないため、他のスポーツ障害と違って痛みをあまり伴わないのが特徴と言えますが、痛みが無いため自覚症状が違和感や運動能力の低下などになってしまい気付かないまま放置してしまうケースも少なくないのです。
親指の腱鞘炎 |
親指の腱鞘炎はどんな姿勢の時に痛くなるのでしょうか?
まず、ちょうど親指の下の手首のあたりに痛みや腫れが生じます。
ドケルバン病ならば、親指を握りこんで手首を下に引いたとき、手首の親指の根元に痛みが生じます。強い時には母指を少し動かすだけでも痛いです。
妊娠時、産後や更年期の女性に起こることが多く、スポーツマンや指と手首をよく使う人にも多いです。
治療法は当院の干渉波治療器を使った筋緊張緩和や手技療法(長母指外転筋、短母指伸筋、総指伸筋)、テーピング(夜間のシップを使った固定)による固定を行います。
この症状は2~3週間で かなり改善します。早期治療が大事なので症状が3日以上続く場合は早めに受診してください。
●橈骨神経麻痺ー朝起きたら、手首が上がらない。
下の写真のように手が上がらなくなったことがありませんか?
横になって寝ていて、起きてみると手が上がらない・指が開かない・・。
そんな時考えられるのが「橈骨神経麻痺」です。橈骨神経は指を伸ばしたり手首を手の甲側に起こす筋肉を担当しているので、この神経がマヒしてしまうと手首が垂れ下がって指が開かないままになってしまうのです。さらに、橈骨神経は手の甲の親指側周辺と人差し指にかけての感覚を担当しているので、下の写真の斜線部分がしびれてきます。
上の写真は40代の男性で、家で子供と一緒にうたた寝した後、起きてみると、左の手首が上がらなくなってました。
指も伸ばすことができません。右手で支えて手首を返した状態では指を少し曲げるのはできますが…、手首が下がった状態で指を曲げようとすると、力が入らないので物を持ち上げることができません。
圧痛点を探してみると腋下と手三里のツボの所にありました。
上の写真は鍼治療や手技療法をしてから5日目の様子です。手首も少し上げるようになり、指を開けるようになりました。圧痛点は手三里と腋下のしたにあり、少し下に下がってます。
上の写真は治療3週間が経ってからの様子です。手首はしっかり上がるようになり、指先も開けるようになりました。可動域はほとんど戻って来ましたが、力を完全に入れないことでもう少し治療を続けることにしました。
●後骨間神経麻痺ー手の指が開けない、手首は上がる。
・症状
特徴的な症状として、下垂指(drop finger)と皮膚を触った感覚に異常がないのが特徴です。下垂指は、手関節の背屈は可能ですが、手指の付け根のMP関節の伸展が不能となり、指だけが下垂した状態になります。
・原因
神経炎、モンテギア骨折、ハンドル回しなどの前腕の使いすぎ、ガングリオン、脂肪腫などによる圧迫により発生する事があります。
・治療
原因が明らかでないものや、回復の可能性のあるものは保存的治療をします。保存的治療で改善の見込みがない場合、骨折、脱臼などの外傷や腫瘤による原因がはっきりしたものは早期に手術が必要です。
神経が回復すれば徐々に動きもついてきますが、その間筋肉は長期間動かず、筋肉の萎縮が起こります。2週間ほどすると拘縮も起こるため、運動療法やマッサージによる能動的治療で血行を良くさせることが大事です。拘縮とは関節周囲の組織や筋肉が縮こまってしまい動かなくなります。一度拘縮すると長期の治療が必要なため、予防が大事になります。
・後遺症
予後は良好の場合が多いですが、治療期間も長引き完全に治らずに、指先が伸ばせなくなる後遺症を残す事もあります。